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他の子どもと顔を合わせずして生きていかれません。
けれどもお隣のペーター以外、子どもはみんなメイドちゃんが嫌い。
パパもママもいない、自分の誕生日も知らない子は嫌いなのです。
奥様、はっとなさいました。
メイドちゃんは9歳なのに1年生で、アルファベットも読めないのです。
学校でいじめられないわけがないのです。
フランソワーズさん、メイドちゃんによろしいとうなずき。
「ずっと行かせるなと申し上げているわけではありません。この子が勉強で困らなくなって、自分で学ぶところを選べるまで、何よりこの家での暮らしにもっと慣れるまで。それまで学校はお待ちくださいと申し上げているのです」
そして、今までで一番毅然とおっしゃいました。
「ですから奥様、いいかげんご隠居なさいませ! 健康安全にこの子に勉強を教えて、穏やかな生活をなさいませ!」
やっと奥様にも毅然さが戻ってこられました。
「それはとても理想的な老後だわ。でも、やりません。私は仕事を続けます。ユーリの学校は……もう少し先になってから考えるわ」
フランソワーズさん、メイドちゃんを見ます。
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