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しかしメイドちゃん、もう奥様だけを見てしまっています。
「僕、お仕事している奥様が好きです」
笑顔になってしまいました。
メイドちゃんにはわからないむずかしいお仕事。
それでも奥様の元気の素は、お仕事だってわかるのです。
ようやく優秀さが戻ってきました。
メイドちゃんは弱虫ではありません。
ただ、ほんの少しだけ、経験が足りないのです。
フランソワーズさん、大きくため息。
「そうおっしゃるとはわかっておりましたけれど、やはりがっかりはいたします。リチャード!」
やにわ息子さんに向き直り。
「あなたがこの子に勉強を教えなさい」
「ええッ!」
急に命じられたブラウン氏。悲鳴を上げるもさえぎられ。
「定年退職したばかりで元教官。家庭教師として不足はありません。奥様、よろしくお願いいたします。ユーリ、奥様の名に恥じぬように努めなさい」
かようにすっかり決めてしまわれました。
そのまま帰り支度を始めるものですから、メイドちゃんはあわてて質問します。
「あの、あの、なんで急に学校だったのですか?」
奥様、はっと気づきます。
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