消えていく運命

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新しい印鑑を使ったのは煌。 よりによって俺の体で。 「ぐりぐりすると気持ちいいだろ?」 印鑑はオモチャじゃないと最初は心の中で怒っていたんだけどだんだん力が抜けていった。 「ん…んんっ……ぅ……」 執拗に胸の突起に押し付けられて気持ちよくなってきた。脳髄に甘い毒薬を投与された感覚がしてだんだんぼんやりしてくる。 俺のいやらしい密があふれてきた。 煌の腕をつかんで離そうとしたが、力でかなう相手じゃない。 「もう…やめ…‥て…」 「試しに押してみたくて。どう?」 「くすぐったい…」 その答えが気に食わなかったのか、もっと力をこめて乳首をぐりぐりしてきた。 「…‥ぁあっ…っ…ん‥ぅ…‥」 せっかく高価な象牙の印鑑を買ったんだから大切に使おうと思っていたのに、おもちやみたいな扱いをされて、少しムッとした。 「象牙はなめらかで、いいね」 「あ…たり‥まえ…‥」 「誰かさんのやらしい肌みたい」 「やっ‥あ……」 印鑑は大切に扱わないと不幸になる、そんな迷信を思い出したがどうでもよくなってきた。
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