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象牙が輸入禁止になって国内の象牙が無くなったらそれで製造も終わる。
だが密猟者が違法に象牙を扱う限りこの商売はゆるく続く。
需要と供給で、客がいる限り売れる。特に田舎の小金持ちや成金にはありがたがれてまあまあの売上は続いていた。
煌さんはたいして儲けてないだろうと鼻で笑っていたが細々と続いている。
今はそういう見栄をはる人間にターゲットを絞った。
詐欺リストには相変わらず怜さんの名前が残っている。
まだ無意味なものを高額で買っているのだろうか。
「有加利煌?ああ、知ってるよ。嫌な奴だろ?お前が注文取って来た時からめんどくせえって思ってたんだけど、あいつに兄弟いるのは知らなかったんで確信はなかったけどやっぱあいつか」
社長が今頃カミングアウトしたがそれすら心に刺さらない。
最初に煌さんに出会っていたら好印象だったのにな。
もう死んでるかも、そんな不謹慎な思いを抱きながら今日も1軒ずつ訪問する。
いつ頃だったかリストから有加利さんの名前が消えた。
その魂が救われたのかはわからない。
俺の中では「嫌な奴」としておぼえていた。
飛ぶ鳥跡を濁さず、自分はそうしたい。
世の中そんなものだ。
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