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『●狩人
矢を買うお金がないので、しばらく弓でぶんなぐって攻撃するように!
●黒魔術師
魔法の杖を買うお金がないので、しばらくはうちわで仰いで風を起こして魔法っぽく攻撃するように!
●白魔術師
ローブを買うお金がないので、しばらく全裸で頑張るように!』
「ちょと待てやごらあああ!」
間違ってる。武器も防具もスッカラカンでどうして魔王に挑めると思っているのだろうか。ついでに僕は知っているのだ、回復アイテムの類も使い切っているということを!
ていうか、最後の白魔術師酷過ぎやしないか?全裸で頑張るようにってなに、セクハラか!?
「リーダー……そんなに俺の裸が見たかったなんてっ……ぽっ」
「お前もわけわかんない勘違いして頬染めてんじゃねーよ!!」
白魔術師も何やら勘違いして、乙女のように眼を潤ませている。一体何がどうしてこうなった。というか。
「そんなに倹約したいなら、まずあんた自分の装備を見直すところからしたらいいでしょーが!なんであんただけがっちり甲冑買って着てんだよ!」
そう。目の前の剣士ときたら、一人だけ何やらガッチリした鎧を着込んでいるのである。人の防御力をゼロにする前に自分をなんとかしろよと言いたい。すると彼は。
「俺だって倹約している!剣士なのに剣もないんだ!あと鎧の下はズボンもパンツも履いてない!!」
「きたねえ!!」
「リーダー、やっぱり俺とそういうことを……」
「白魔術師、お前はもう黙ってろ!」
なお、現在空気になっている黒魔術師。この世界にうちわって存在するんだあ、なんて斜め上のツッコミをしている。頼む、メタまで入ったらほんと収拾つかないからヤメテ。
「みんな、辛いのはわかるんだ、俺だってつらい!下半身なんか鎧で擦れて超痛いし!」
やがてリーダーは、ジャンピング土下座をして事の真相を明かしたのである。
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