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I
玄関を開けると、どんよりした曇り空の下に、どんよりした顔のみっちゃんがいた。
高校一年生が終わりに近づいてきた、三月上旬の日曜。
友人のみっちゃんが遊びに来た。
「話がある」と真剣な顔をして。
どうしたんだろと思いつつ、二階の私の部屋に案内する。
長女の美佳さんの、「いらっしゃーい、みっちゃん」というゆるい声がリビングから聞こえた。
みっちゃんは中学からの付き合いで、姉たちとも顔馴染みだ。
リビングでだらけている美佳さんは、仕事は結構できるらしい。しかし家ではずっとこんな調子。
お母さんからは、「さっさと小春を見習って自立しなさい」と急かされている。
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