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来ない援軍
先程の部隊長は中央、右、左、そのすべての指揮を取る者だ出身は貴族の騎士なのである程度学がある
その下の小隊長は数多の戦場を潜り抜けてきた猛者たち元農兵といえど錬度が違う中央、右、左、にそれぞれ1人ずついるはずだ
そして今から私が指揮を取ることとなったわけであるが恥ずかしいことに
これといった策がないそもそも、昔から私は考えることが苦手なのだ
そのようなことを嘆いても仕方がない、今思いつくのはすべての梯子を回り劣勢な場所を味方とともに死守することである。
さっそく行動に移そう
まずは一番近い左の梯子に向かわねばな
左の梯子のもとへ向かうと石弓や弓を持ちながら敵方へと矢玉を放つ者共が見える
近接の盾持ち兵は弓兵に敵の投擲物が当たらないように盾で弓兵を防いでいる
盾を持たない兵たちは防衛用の石ころを梯子を上ってくる敵に落とし
敵が来ないように防いでいる
流石小隊長が歴戦の兵なだけあるな
士気もある程度保持されているようだ
しかし兵が少ない、20しかおらぬではないか、各梯子には30ずつ割り振られていると聞いたのだがな……
「小隊長!」
私の声に気づくと小隊長は敬礼し、言った
「閣下!何故このような所に!?」
「私も皆と共に戦おうと思うてな、そんなことよりここの梯子は兵が少ないようだが何があった」
「さ、作用ですか……ありがたい限りでございます!兵が少ないのは中央、
右の梯子が劣勢だと聞きましたのでこちらは少し余裕があるためそちらに兵を5ずつ回しました」
「なるほど……人手不足は否めないな」
「申し上げにくいですがそのようですね、申し上げにくいのですが閣下……」
「どうした遠慮なく申してみよ」
「ライオニード王国に使いは送られましたか?」
「送りたいのは山々だがこの城、キリード城の背後は崖だ、首都に使いを送るにしても城の正面はバイキングが包囲している、いくら低能なバイキング共も馬に乗った伝令をそう易々と通してくれるわけなかろう、包囲を突破するのは魔導士でもない限り無理だ、それに伝令魔術がこの城にはある、バイキングがこの城に攻めていることは首都にも伝わっていることだろう」
「伝令魔術、そのような大変高価な代物この城にあったのですね!」
「ああ、ある首都からこの城まで軍隊がつくまで2日かかる、それまでにここを
死守せねばならぬ、皆頼むぞ」
「はっ!」
もちろん嘘だ伝令魔術などない、この魔術は小国の国家予算並みの金がかかる
嘘をついたのは兵の士気を上げるために止む終えないことだ
そして伝令を送ったとしても味方など来ない、我々は数日前から捨てられていた
霧浪霧骸の異世界小説
https://kirigai.hatenadiary.com/
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