プロローグ

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それは、高校2年の夏。 夏休みまであと2週間足らずのある日のこと。 「ふいー、今日も暑いなぁ」 ワンワン!! 「お前はいつも元気だなぁ。」 オレ、柿木ハヤテはいつものように 愛犬マメの散歩をしていた。 太陽は今もジリジリと地面に 照りつけている。 もう午後4時を回ろうと言うのに 気温は一向に下がる気配がない。 ぐいぐい! ある神社の前まで来た時、 いきなりマメがリードを強く引っ張った。 普段はこんなことめったにしない はずなのに。 「どうした?マメ、神社に行きたいのか?」 ワンワン!! 神社と言っても神主様がいて、 巫女さんがいて、みたいな立派な ものではない。 もう随分昔から放置され、境内は 雑草だらけで寂れている。 「久しぶりに来たけど、やっぱ なんもねぇなあ。」 マメが満足したらさっさと帰ろう。 そう思っていた、まさにその時。
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