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『誠実カツ正直ナ若者ヨ……』
「は?」
誰か何かしゃべったか?
オレは慌てて辺りを見渡したが、
オレとマメ以外は誰もいない。
境内には人が隠れられるような
場所もない。
ズキッ!!
「ッッッッ!!」
当然、頭に激痛が走る。
頭に電気を流し込まれたかのような
鋭い痛みが脳内を駆け巡る。
『貴様ハ素直デ誠実デ正直ダ……』
「だ、誰だ!?」
今度ははっきりと聞こえた。
誰かがオレに話しかけている。
『貴様ニ力ヲ与エヨウ……』
「何言ってるんだ…」
ダメだ……頭痛がどんどん激しく
なっていく……
このままじゃ、意識が……
『期限ハ夏ノ終ワリ迄。
上手ク使エヨ…』
その言葉を最後にオレの意識は途切れた。
心配そうにオレを見つめるマメの
瞳が、最後に見た光景だった……
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