第1章―不思議な力―

2/9
前へ
/116ページ
次へ
【1】 「う~ん、ここは……」 「あ、やっと気づいた!」 目を開けると、眩しい光が 視界に差し込む。 同時に見慣れた顔がオレを覗き込んだ。 堀内遥花 3歳の頃から家族ぐるみの付き合いを している、オレの幼馴染だ。 「遥花、オレは…」 「マメの散歩中に神社で 倒れてたんだよ。 マメが大声で吠えてくれてなかったら 私も気づかなかったよ。」 「そうか、ありがとな…」 オレは腰を上げ、辺りを見渡しす。 自宅ではない。 けれど小さい頃から慣れ親しんだ空間。 「目立った傷もないし 顔色もいいけど、一応病院行く?」 「いや、大丈夫だ。わざわざ看病 してくれてありがと。」 「お礼ならマメに言ってよね。 玄関にいるから。」 「そうだな。じゃあオレそろそろ 帰るよ。」 遥花の両親は家にはいないみたいだが もう時間も遅い。 あまり長居するのも迷惑かと思い、 オレは遥花の家を出ようとする。 「あ、ちょっと待って!」 「うん?」
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加