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【1】
「う~ん、ここは……」
「あ、やっと気づいた!」
目を開けると、眩しい光が
視界に差し込む。
同時に見慣れた顔がオレを覗き込んだ。
堀内遥花
3歳の頃から家族ぐるみの付き合いを
している、オレの幼馴染だ。
「遥花、オレは…」
「マメの散歩中に神社で
倒れてたんだよ。
マメが大声で吠えてくれてなかったら
私も気づかなかったよ。」
「そうか、ありがとな…」
オレは腰を上げ、辺りを見渡しす。
自宅ではない。
けれど小さい頃から慣れ親しんだ空間。
「目立った傷もないし
顔色もいいけど、一応病院行く?」
「いや、大丈夫だ。わざわざ看病
してくれてありがと。」
「お礼ならマメに言ってよね。
玄関にいるから。」
「そうだな。じゃあオレそろそろ
帰るよ。」
遥花の両親は家にはいないみたいだが
もう時間も遅い。
あまり長居するのも迷惑かと思い、
オレは遥花の家を出ようとする。
「あ、ちょっと待って!」
「うん?」
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