第1章―不思議な力―

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「最後に熱無いか確認!!」 そう言って遥花は俺の前髪を 右手で押し上げ、自分のおでこを 当ててきた。 「おいおい……」 『よかったー。熱も無いし 一安心だよ。明日も会えるね!』 「ッッッッ!」 なんだ今の!? 遥花の声がオレの頭に響き渡る。 まるで遥花が俺の脳内に 直接話しかけてきたみたいな。 「遥花、お前何か言ったか?」 「うん?? 何も言ってないよ? 熱、無いみたいだね。」 「そう、だよな。わりぃ、なんでもない。」 そりゃそうだ。 遥花とおでこを合わせた時 遥花の口は一切動いていなかった。 顔を数cmまで近づけていたんだから 見間違うはずがない。 きっと疲れているんだろう。 「本当に大丈夫??」 「ああ、大丈夫だ!じゃ、また明日な!」 「うん!」 笑顔で手を振る遥花に手を振り返し、 マメと共に自宅へ歩く。 遥花の家からオレの家までは 100mもない。 徒歩2分とかからずに自宅にたどり着く。
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