4人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっぱ疲れてるのかなぁ。」
『そんなことないワン!
ご主人は至って正常ワン。』
だよなぁ。
オレは正常……
はぁぁぁぁぁ!?!?
またオレの脳内に変な声が聞こえる。
遥花とおでこを合わせた時とは
全く異なる、もっと幼い声。
しかも、”ワン”??
「ま、まさか、まさかな……」
『ウソじゃないワン。
現実だワン。ボクはご主人と
しゃべれるようになったワン。』
ウソだ。
そんなはずはない。
でも、これは確実に……
「マメ……なのか?お前が
話しかけているのか……?」
『そうだワン!ご主人、
話したかったワン!』
マメはその可愛らしいつぶらな
瞳でオレの顔を見つめ、
嬉しそうにしっぽを振っている。
信じられん……
犬と会話してる!?
小説やマンガならわかる。
動物と心を通わせる能力を持った
主人公はいる。
でもここは現実だ!
科学の発展した21世紀の日本だ。
そんなことは……
「もし本当ならなんで…」
『多分神社に行った時ワン。
ボクはあの時不思議な声に導かれて
神社にご主人を連れていったワン。
そこでボクは聞いたワン。』
「聞いたって、何を?」
『神社の神様の声ワン。
神様はご主人に力を与えると
言ったワン。何でも他人の
心を読み取れる力らしいワン。』
他人の心を読み取れる……
そんなマンガみたいな力…
でも実際、口を開いていない
遥花の声が確かにオレには聞こえた。
そして、今マメと会話しているのも
夢なんかじゃない。
紛れもない現実だ。
『というわけでご主人!
これからもよろしくだワン!!』
マメはいかにも楽しそうだが、
オレは頭を抱えるしかない。
オレは一体これからどうなって
しまうのだろう……
最初のコメントを投稿しよう!