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貴方の言葉からの日々
「君が好きだよ」
夢かと思った。
その言葉を聞いた日から、物書きとして机に向かうだけの変わり映えのなかった日々が輝きだした。
それからの日々は、とても幸せで。
いつまでもその幸せは続くと、根拠のない自信であふれていて。
その気持ちを忘れぬようにと、私はペンをとった。
次々と私の中からあふれてくる言葉たち。
忘れないように、ペンを持つ時間が増えた。
「ねえ、僕を見て」
その言葉で気がつくべきだった。
その言葉を聞いた、それからの日々も私は変わることができなくて、ただただ夢の中にいるような心地で。
「さようなら」
夢は終わった。
それからの日々も私はペンを握り続けた。
自分のすべてを物語にした。
本屋に並んだそのタイトルを貴方は目にすることはあるだろうか。
『貴方の言葉からの日々』
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