帰国

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帰国

久々の日本の空気だ。 北見祐樹37歳。女性用服飾メーカーに勤務。 先週、出向先のアメリカから帰国した。 アメリカは5年程いた。 今回の帰国で企画部の課長に就任する予定と聞いている。 聞くところによると、前任の課長が優しい人だったので、企画部のレベルが低下しているかた叩きなおしてくれというのが会社の命令だ。 アメリカで俺も相当鍛えられたから、どんなのメンバーでどういう仕事ができるか今から楽しみだ。 空港に迎えがきてるはずなんだけど、と周りを見渡していると見慣れた二人を見つける。 「兄貴、香。迎えにきてくれてありがとう。」と二人に近寄っていく。 「久しぶり、元気そうでなによりだ。家が決まってないから、俺の家にしばらくいるんだろ。疲れてるだろうから、早く家に向かおう。」と兄貴が半分荷物を持ってくれた。 「折角の私たちの愛の巣に転がりこんでくるなんて、ほんと無神経なところは昔から変わらないわね。」と香が頬を膨らませて文句を言ってる。
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