56人が本棚に入れています
本棚に追加
「舞妓に、まだ成り立てだから、等という言い訳は通用しない。座敷に上がらせてもらう事が出来た時点で、芸を売りにするプロとなったのだ。その舞妓が上手く舞えぬというのは、〝座敷に上がってもよろし〟というお墨付きを出してくれたお師匠さんの顔に泥を塗るも同然。今夜はもう君は舞わなくて良い。おねえさん達の舞いを見て勉強しなさい」
びっくりしたうちは返す言葉も見つからへんかった。
呆然としとするうちの傍らでお茶屋のおかあさんが何度も何度も頭を下げていた。
「ほら！ アンタも！」
小突かれて慌てて畳に手を突き頭を下げた。
うちは、とんでもない事してしもたん？
最初のコメントを投稿しよう！