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 舞いが終わると、閉じた扇を前に置き、手をついて頭を下げる。旦那はん達が拍手をしてくれはる。この瞬間がうちは幸せ。  今夜のお座敷で、一番年配の旦那はんが一番大きな拍手をくれはった。そして、大きなお声で。 「やはり姫扇の舞いを見ぃひんと、新年を迎えた気がせえへん。この舞いをここまで立派に舞える妓は、芸妓でもなかなかおへん」  旦那はん、誉めてくれはるのは嬉しおす。でも。  ちょっと遠慮がちにうつ向いたうちに梅扇さんねえさんが優しく声をかけてくれはった。
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