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「姫扇ちゃん。うちもそう思いますえ。姫扇ちゃんは人一倍お稽古に精を出してはる事、みんなちゃんと知ってるんどす。うちに遠慮する事あらしまへん。でも旦那はんもいけずやわ。そんなあからさまに姫扇ちゃんばかり……。ねえさんであるうちの立場があらしまへん。どないしてくれはりますの」
座敷が、どっと沸いた。旦那さん達、みんなが笑顔になる。
梅扇さんねえさんはさすがどす。さらりと座敷の雰囲気を作ってくれはった。
うちも、梅扇さんねえさんみたいな芸妓さんになれますやろか。
お酌をしながら旦那はん達をおもてなししはる梅扇さんねえさんを眩しげに見て、ドキドキと鳴る胸を抑えて右京はんに視線を移した。
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