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 眉を下げて心底困った顔をしてみせたうちをみて、お座敷のお客はん達は「姫扇はまだまだウブやなあ」と明るい笑い声を上げた。  明るいお正月の宴席の中で、うちは胸の中で呟いていた。  意中の誰か。おるよ。たった一人。あのお方が――。
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