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二人の掌から溢れ出る魔力が二人と核を包んでいく。
「永久封印」
カミラとマッパが同時に唱えると、核とカミラとマッパ全てが球体の結界に包まれる。
「これで我とマッパの魔力を互いに送り続ければ、この状態が永久に続く」
「うん、これを破るのはこの世界全ての魔力でも足りないかな」
「まあ魔王と吸血鬼王じゃからな」
「僕たちも眠くなるけどね」
「そうじゃな....まあ仕方あるまい」
「・・・・カミラ」
「何じゃ?」
「前に何か相談があるって」
「ああ、あれか....ちと予定が狂ってしまったのう」
「何だったの?」
「ふむ....この核がなかったら新しい国を作ろうかと思ったんじゃ」
「国を?」
「そうじゃ、我は人間界でいろいろと学んだからのう」
「どんな国?」
「そうじゃな、人間も魔族も吸血鬼も獣人もエルフも関係なく誰でも暮らせる国じゃな」
「素晴らしいね!カミラが王様かなあ」
「何を言っておる?我は王になどならん」
「え?じゃあカミラは何になるの?」
「我は串焼き屋じゃ!食べ放題じゃ!」
「うん、売る分もなくなりそうだね」
「じゃからの、王にはマッパ、貴様がなればよかろう」
「え!い、いや僕には王様なんて無理だよお....」
「貴様、何万年の間、魔王をやっていたんじゃ?」
「魔王は偉そうにふんぞり返って、時々暴れればいいけど、人間界の王様は違うよ....」
「うーむ....するとカイかゲンあたりか」
「そうだね!元勇者もいるし彼らに任せておけば....きっと....平和な....」
「マッパ?....眠りについたか....さて、我も眠りに墜ちる前に最後の通信じゃな」
意識をニホンに向けるカミラ。
『あーあー、カミラ様じゃ、聞こえるかの?』
どこからともなく聞こえてくるカミラの声。
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