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しかし、ゲンの父親にとって想定外の事が起きてしまった。
「将軍にご報告があります」
念話だ。
「何だ?」
「は!人間界に放ったサイクロプスが....全滅しました」
ゲンの父親、魔将軍は顔色一つ変えずにその報告を受けている。
「全滅?勇者でも現れたのか?」
「いえ....あれは、天使です」
「天使....大天使か?」
「いえ、初めて見る顔でしたがまだ若い天使でした」
「そうか、分かった」
(若い天使....何者だ....)
・・・・・・・・
それよりも数分前。
オルルドの耳に聞こえる音がどんどん近づいている。
「どうなっている!伝令はどうしたっ!」
その声さえもかき消される程の地響きと悲鳴が彼に迫り、ようやく事態を把握する事になった。
遥か前方にいたはずのサイクロプス。
その軍勢が目の前数メートルにいた。
「何だこの数と大きさは....」
数は彼の視界を埋め尽くす程に。
そして一体の大きさがオルルドが知るサイクロプスとは違っていた。
「まさか....サイクロプスはでかくても3メートル強のはず....5メートルを超えているとは....」
サイクロプスがここにいるという事は部隊は全滅....
「国軍が全滅?....そんな....」
見れば、兵士を喰いながらこちらに向かっているサイクロプスもいる。
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