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「まあ俺にしては上出来だ」
五体のサイクロプスを倒した時にはオルルドの剣は既に折れかかっていた。
「じゃあ....逃げるか」
振り返り走り出すオルルド。
その体が止まる。
「なっ?」
さっき倒したはずのサイクロプスがオルルドの片足を掴んでいた。
「放せっ!」
必死に足を抜こうとするが、サイクロプスはオルルドの足をがっちりと掴んだまま息絶えていた。
「くっ!切り離すっ!」
振り上げた剣をサイクロプスの腕に振り下ろすが、簡単に折れてしまった。
「ちくしょーっ!マジかーっ!」
死ぬ覚悟はあったが、思ったよりも自分がやれた事により、生への執着心が芽生えてしまった。
しかし、それも迫り来るサイクロプスの軍団を見て消えかかる。
「やっぱりダメか....ああ、もう少し生きたかったな....」
それでも最期は見苦しくなく、華々しく散ろうと決めて生きて来た。
「極魔法....爆炎の環」
極魔法はオルルドが冒険者時代に習得した強力な魔法だが、自爆を伴うため一生に一度しか使えない。
「おまえら全部道連れで死ねば、俺の名前もちったあ有名になるな....」
更に精神を集中させるオルルド。
迫り来るサイクロプス。
「まだだ」
オルルドを中心に輪が出来る。
「いいぞ....行くか....発動...え?」
オルルドの視界が劇的に変わった。
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