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かつて魔王が支配する国家があった。
正確には魔王を崇める者たちが造り上げた国だ。
神の加護を受けた国を神国と呼ぶように、その国は魔国と呼ばれた。
だが、その国がどこにあるのか、どのような者が棲んでいるのかは誰も分からずに、本当に実在するのかすら疑わしくなり、やがて長い年月の中で徐々に人々の記憶から消えていった。
それに伴い、おとぎ話が語り継がれる事となる。
昔、魔物が闊歩する国があった。
その国は好戦的で、かつ人族や神を毛嫌いしていたため、長年に渡り他国へ攻め入りどんな犠牲をも厭わず、ただ殺戮の限りを尽くしていた。
そんな中である王国に勇者が現れた。
勇者は仲間と共にわずか5人のパーティーで、数万の敵を殲滅し更に魔物の国を滅亡させるという輝かしくも奇跡的な働きを見せ、以後人族は平和に暮らした。
そんなおとぎ話になった忘却の国が、マハル王国並びに周辺の国家に対して宣戦布告をした。
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