それぞれの道

14/15
前へ
/474ページ
次へ
その声には尋常ではないものを王を始め皆が感じていた。 「パラム、中へ入れろ」 扉が開くと互いを支え合う二名の兵士が息も絶え絶えに入り、当然ながら膝をつく。 肩で息をする兵士に王が報告を促す。 「はっ!申し....上げます....大森林にて....サイクロプス...と、討伐に向かいました第二兵団は、ほぼ、壊....滅いたしました....」 「何だと!」 パラムの顔が変わった。 「何があった!オルルドはどうしたっ!」 「サイクロプスの数は....正確には分かりかねますが、最低でも....50以上は....」 「サイクロプスが50?....そんなバカな....ではオルルドは....」 「兵団長は....我々を逃がすために....単身で....」 「50のサイクロプスに挑んだ?....あのバカ....」 「パラム、そのサイクロプスはこちらに向かうと考えて良いのか?」 王の問にパラムは頷く。 「サイクロプスは人間を餌としますので、この王都に限定はいたしませんが、距離的には最も近い人口密集地帯と言えます」 王も黙り込んでしまった。
/474ページ

最初のコメントを投稿しよう!

189人が本棚に入れています
本棚に追加