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その声には尋常ではないものを王を始め皆が感じていた。
「パラム、中へ入れろ」
扉が開くと互いを支え合う二名の兵士が息も絶え絶えに入り、当然ながら膝をつく。
肩で息をする兵士に王が報告を促す。
「はっ!申し....上げます....大森林にて....サイクロプス...と、討伐に向かいました第二兵団は、ほぼ、壊....滅いたしました....」
「何だと!」
パラムの顔が変わった。
「何があった!オルルドはどうしたっ!」
「サイクロプスの数は....正確には分かりかねますが、最低でも....50以上は....」
「サイクロプスが50?....そんなバカな....ではオルルドは....」
「兵団長は....我々を逃がすために....単身で....」
「50のサイクロプスに挑んだ?....あのバカ....」
「パラム、そのサイクロプスはこちらに向かうと考えて良いのか?」
王の問にパラムは頷く。
「サイクロプスは人間を餌としますので、この王都に限定はいたしませんが、距離的には最も近い人口密集地帯と言えます」
王も黙り込んでしまった。
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