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ゲンは薄暗い洞窟のような場所にいた。
「何だよこれ....どうなっちまったんだ?」
体に痛みはない。
「あっ!カイはっ?」
周囲を何度も見渡すが、自分以外の存在を確認する事はできない。
「何なんだこれは....」
『目覚めたか』
突然聞こえた声に体が反応する。
「誰だっ?」
ゲンの視界の一部が更に暗く漆黒の闇となっていく。
その中から現れたのは、黒いマントに身を包んだ骸骨だった。
「なっ?何だこれ....夢か....」
『夢ではないぞ』
骸骨が発した声からは、それまで聞いたことのない低さと深さを感じた。
「いったい俺は....」
それでもゲンは自分が悪夢を見ていると判断していた。
これが現実であるなど、あり得ない事だからだ。
『ついて来い』
骸骨がゲンに背中を向ける。
どうする....
夢ならすぐに目が覚めるだろう。
そうすれば俺は病院のベッドだ。
夢なら....
ゲンは骸骨の後を追った。
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