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「先日の悪魔討伐が噂になり、今では私とあなた方がこの国の救世主と呼ばれています」
崩壊寸前、実際の所は国としての機能を失っているグリス神国。
女神と救世主に救いを求めているのは至極当然の事である。
「どうするのか決まりましたか?」
「そうですね、大まかにはですが」
「カイさん、是非聞かせて下さい」
・・・・・・・・
10年後。
旧グリス神国中央都市の跡地には、いくつもの建造物が建ち並んでいた。
一際目を引くのは女神ハルモニアに祈りを捧げるべく造られた教会。
学校、集合住宅、市場、公園、ギルド....そして国務会館と呼ばれる巨大なビル。
殆どは柳沢の力に頼ったものばかりだ。
公園のベンチに座る男が二人。
カイとゲン。
「あれから10年か、早いな」
「ああゲン、さすが柳沢さんの化学力は凄いとしか言いようがないな」
「俺たち、ぶっ壊すのは得意だけど作るのは....まあ無理だからな」
「そろそろ時間か?」
「会館へ行くぞ....遅刻するとみんなうるせえからな」
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