それぞれの道

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「カイ様、大天使様がお呼びになっております」 「大天使?誰?」 「ミゲル様です」 「天使長か....今忙しいんだけどな」 「流石に大天使様を無視するわけには....」 「ああ、そうだね....すぐに行くからそう伝えて」 「了解いたしました」 カイが天界に転生してから5年が過ぎていた。 天界で生まれたが、母親はいない状態だった。 自然発生的な誕生だ。 5年の間に何か特別な訓練をしたわけではないが、カイの能力は著しく向上していた。 また、体躯も既に成人並に変わりつつあった。 (未だに理解し難いが、どうやら一定の年齢までの成長が早いようだ) カイが目を閉じ、大天使ミゲルの名を口にすると、次の瞬間にはミゲルの足元に片膝をついた態勢で現れた。 「お呼びですか」 「相変わらず愛想がない奴だ」 「性分ですので」 「まあ良い、魔族が人族の国に攻め込んでいるようだ」 「人族....ですか」 「そうだ、殲滅してこい」 「御意」 カイの体が再び消える。
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