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マハル王国は南の大陸の中央に位置する豊かな国だ。
マハル王は国民を宝と位置づけ、その命と財産を守る為の政策を実行している。
その国王に対し国民もまた忠誠を誓い、他国との戦争の際には国軍と共に正に一枚岩となり、無敵の強さを誇っていた。
国王の元へ辺境伯から使者が訪れていた。
カイザー辺境伯の次男、フィルだ。
「恐れながら申し上げます」
「気遣い無用、何があった?」
「は、東の大森林から不穏な動きを感知した為、確認しましたがどうやら魔族が動き出した様子です」
「魔族か」
「今の所はサイクロプスと思われる集団が確認できております」
「サイクロプス....厄介だな」
サイクロプスは単眼の巨大な魔物で、人間を喰らう習性があり知恵もある。
「そちらの軍隊は防御に徹するように、至急国軍を送る」
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