親愛なる、姉上様へ………。

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『体集め』も忘れない。 自分の手や足や、胴の気配を探り当て……… 慎重に引き寄せた。 途中、手を(カラス)につつかれたり、足を自転車に()かれたりして悲しかった。 胴に川魚の生臭さが残るのも、やるせない。 けれども土に(まみ)れ、傷がついてボロボロになったとしても、間違いなく私の体だ。 姉が、愛して、抱き締めてくれた…………… 私の体だ。 それらを慎重に繋ぎ合わせる。 全てのパーツが揃ったから………… また、姉に逢いに行こう。 今度こそは……… 幼い頃のように、私を抱き締めてくれるだろうか―――――?
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