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「そうそう、なるちゃん」
「なるちゃん、って言わないでくださいよ。子供っぽいし。いつの間に私にあだ名をつけたんですか?」
「いつだったかなぁ。……忘れた」
「もう!」
北野さん、適当だなぁ。
「話を戻すよ?なるちゃん、僕の本、知らない?結構、分厚い本で後半が真っ白な本なんだけど」
「何、その本?印刷ミス?」
わざわざ、そんな本を持ってるのってどうしてかな。
「んー、まぁ、そんなとこ。で、知らない?」
「知らないわよー、探しとくけど。大事な本ならちゃんと管理しときなさいよね!」
「分かってるって。祐ちゃんも見つけたら僕に渡してね!」
「オッケーです!何の本なんですか?」
「ん?聞きたい?」
「はい。後半が白い本なんて珍しいですし」
「実はね、後半、炙り出しなんだよね。それで真っ白。内容は、まあ、人間が鬼に喰われる話だね」
北野さん、こんな感じなのに読んでいる本は意外と怖い。
「そだそだ、ハンバーグお代わりもらっていい?」
「いいけど、まだ残ってる?」
「どーだろー」
「まだ、食べんの?北野さん」
「食べるー」
「祐ちゃんは?」
「私はいいかな」
北野さん、自由だなー。
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