私に天は二物を与えた

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「ねえ、祐。ゲームのテク、教えてよー」 「無〜理。莉緒に教えたら、テク、莉緒のモンになるじゃない。あんたが拡散するんでしょ?私のテクなのに」 「えー、いいじゃん」 「だーめ。あんた、習得、速すぎるんだもん」 「ケチー」 「ケチじゃない」  空本(そらもと)莉緒(りお)はショートカットの髪に桜の花びらをのっけている。だけど気付いてない。そのままの方が面白いかな? 「ブー」 「はいはい」  莉緒ってば、いつまでも子供っぽいんだから。  私もそこまで変わんないけど。 「そういや、劇、出るの?」 「え?」 「今日の話だって。HRの」 「劇の話なんかしたっけ?」 「したって!祐、優等生なのに聞いてなかったの?」 「優等生だけど、優等生してるだけ。優等生してる方が何かと便利なんだもん」 「あんた、悪いね」 「確かに、そんじょそこらの人よりかはタチが悪いかもね、私」 「気づいてんの?」 「うん。そうだけど、何?」 「あんた、本当タチ悪い」  気づいてるって。 「で、劇って何なの?」 「新入生歓迎会で劇をするんだって。内容は先生が決めてくるって言ってたけど。で、出るのか、って訊いたの」 「出ない」 「やっぱりか」 「やっぱり、って言うなら訊かないでよ」 「だって、祐ってかわいいんだもん。それこそ、一国のお姫様ぐらいに」 「ふふ。ありがとう」 「否定しないんだよな。なんか、あっさりしてて。評価が平等?いや、自分のことだもんな。ん?」
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