私に天は二物を与えた

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 久々に視える日だったのに、華乃さんしか視えなかった。  もうちょっと、霊の皆さんと話したかった。 「おかえりー。祐ちゃん!」 「北野(きたの)(ある)さん!」  アパートの隣人さんだけど、いつもいつも、帰って来たら絶対会うんだよな。  糸目が開く時は大体、すごむ時で、普通に、というより、とっても怖い。男性で年齢不詳だから、特にかも。  イメージ的には、少し長めの茶髪を後ろで束ねてるから、ちょっと猫みたい。 「今日、学校どうだった?」 「楽しかったです。優等生してました」 「さすが。頑張ってね」 「はい!北野さん!」  ガチャ。
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