「愛」も「ずっと」も言えないけれど

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別れが来ることは初めからわかってた 僕と君を隔てる壁はどうにもできないほど高くて厚かった それなのに何かの悪戯でできた覗き穴越しの君に僕は恋をした 一言で言えばありきたりな恋 ドラマやマンガみたいな恋 でも僕は『恋に恋』したんじゃない 僕は君のことが好きなんだ 「愛してる」なんて言えるほど君を知らない 「ずっと好きだった」なんて言えるほど君と一緒にはいられない それでも、君の伏せた瞼が、控えめな笑顔が、 僕は大好きだ
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