夢と知りせば

3/4
前へ
/168ページ
次へ
「悪い夢を見ていたのか」 眼を閉じてそう思った 眼は濁っていて 心は荒んでいて もう消した気持ちだろう もう「昔」より大切にできる「今」を得ただろう …分かっている 上書きはまだできていない こんな願いなどもう許されないのに 悪い夢 全くその通りだ 「夢はすぐ忘れる」 なんて そんなの嘘じゃないか 夢を忘れても 君と何を夢でしたのか 忘れても 寂しさはずっと残っているじゃないか 君がどこにもいない 「あの日々が幸せな夢であればよかったのに」 そう思いたかった
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加