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「はぁ……そうよ青春よ。アオハルと書いて青春よ。今の私にはそれが足りない」
「何言ってんだこいつ」
消しゴムを片付けながらそう言い放つ。
しかし影宮 哀奈は止まらない。
「青春といえば学園生活、学園生活といえば欠かせない一つが制服ッ!!
そう、一口に制服と言ってもセーラーとブレザーの主に2種類が存在するわ。
更にそこから派生系としてカーディガンやニット、下半身にはストッキングや黒タイツ、その組み合わせは無限の可能性を生むわ。」
「………。」
最早ツッコミは無駄な労力だと確信した耶俥はさぁてシカトぶっこいて仕事するぞーという意気込みをする。
「そして人によっては清楚かギャルか、真面目かガサツか、高身長な低身長か、ありとあらゆる要素が加わってくる。
フヘヘ、いいオカズが出来るわぁ」
止まる事を知らない。
聴覚をシャットアウトして目の前の事に集中する。
幸いな事にもう仕事は残り少ないのだ。さっさと事を済ませよう。
「ハァーーーJKのスカートめくってパンツ拝みてぇーーー」
前言撤回。もうダメだ、おしまいだ。こんな時に限って先輩が来るのが遅い。助けて。このおっさんみたいな変態どうにかして。
〜〜〜♪
救いの女神。電話が鳴りだした。
「えっ!?やっくんの携帯がなってる!ぼっちのやっくんの携帯が!!」
「へーへーそうですよそんなぼっちの携帯に出させていただきますよ」
そんな煽りを華麗に躱し、耶俥は携帯に出る。
「おう、どうした?……は?今から?……取り敢えず分かった。行けばわかんだな。把握した。」
簡潔に返事を済ませて電話を切る。
「すんません、野暮用発生しました。ちょっと仕事残しますけどいいです?」
「あら、急用なの?いいわ急ぎでもないし、ちなみにどうしたの?」
「………警察に来い、だそうです。」
「ーーー!!耶俥君、それって……!?」
先生が驚きの顔を見せる。
別に俺はやましい事はない筈なのだが、遂にこの人の研究の汚点でも発見したのか?
「婦警のーーー」
「行ってきます」
「いやーんやっくん待ってよ〜〜〜」
汚点を見つけたところでこの人はどーせ上手く切り抜けるだろう。
そんな事を思いながら耶俥は教授室を出て行った。
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