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案内され廊下を歩いていく。
………が、どうにも人がいて活発だった受付付近とは打って変わり、あまり人気のない廊下の隅っこの扉へと辿り着く。
「こちらが、椎名刑事のいる部屋になります。先程ご連絡したので名前を言って頂ければ分かると思いますよ。」
「分かりました。」
では。と受付の人はそこから元の場所へ戻っていく。
「警視庁特殊犯罪科……ほぉ……。」
輝は部署の名前と思われる札を見て目を輝かせる。
ネーミングに胸にくるものがあるのだろう。
「……案内されたはいいが、警察署の中のこんな端っこにいる刑事が、改めて俺らに何の用なんだろうな。」
「オイオイやっくん、こういう場合のケースはめちゃくちゃ有能だけど訳ありで厄介払いされてるみたいな感じだろ?ドラマで言う相棒とか踊る大捜査線と似たようなもんだよきっと」
「………だといいがな。」
相棒はともかく良く踊る大捜査線とか知ってんな、と思いながら扉の近くへ歩き出す。
コンコン、とノックを立てる。
「すいません。椎名刑事はいらっしゃいますか。」
どんな反応が返ってくるのか、少しだけ身構えながら返事を待つ。
「ーーー待ってたよ。入ってどうぞ。」
だが返ってきた声は、予想してたよりも穏やかなものだった。
「………失礼します。」
「シャスッ!!」
その呼びかけに応え、扉を開ける。
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