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「別に不思議でもないだろ。それに、少し慌ててたような感じだったからな。お前ん時もそうだったんじゃねえの?」
「………ッ…!」
『ーーー頼む、輝、詳しい事は話せないが、今から言う所へ、急いで来てくれーーー』
あの時の電話のやりとりの一部を、輝は思い出していた。
「大方電話するように命令して、しかもまとめて全員、という訳じゃなく少人数、ここへ来るように仕向けた………
もし、あんたの狙いが、本当に俺達の『捕獲』だとしたら………これで、色々と状況は合うと思うぜ。」
耶俥の推察を聞き、改めて輝は椎名へと警戒の眼差しを向ける。
その椎名は、特に何も動揺や薄ら笑い、と言ったものは出ていないが……。
「曲がりなりにもウチのリーダー格から引き摺り下ろしたとは、中々のもんだな。
それに次の標的が俺達か……ま、俺みたいな非力な一般人はともかく、コイツみてえな馬鹿力から丸め込もうとするとは相当自信があると見える。」
「テメェやっくんおい」
「自信、か………フフ。」
椎名はその言葉を口にし、少し微笑んだ後……
「………まあ。君達含む『その他全員』。丸め込む事は出来ると思うよ。
ーーー今すぐにでも、ね。」
その不敵な笑みのまま、その目は完全に……『刑事』としての、そして……確かな『実力者』として、鋭い目付きを彼らに向けた。
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