The first encounter

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「いやあ済まないね。俺個人としてはともかく一応こちらとしても警察っていう組織だからね。協力するにしても信用するに値する人間かどうかを見極める必要があったんだ。試す様な感じになってしまって実に申し訳ない。」 「いやあんな空気醸し出されたら普通にドンパチやる流れだったろッ!?」 武器を消し、鏡の向こう側の住人にはお帰りいただいた後、改めて座り込み一応の顛末を表明していた。 「緊迫した状況の方が人間の性ってのはよく出るものだからね。その辺りも見させてもらった。これはそんな俺の考えを汲んだ『彼』からの提案でもあったし、結果、『彼』の目論み通りになり得たけどね。」 「結局、さっきまでは『アイツ』とあんたの掌で転がされた茶番劇って事か……なるほどふざけてる。」 皮肉混じりに返していく耶俥。 あの空気が張り詰めたものが全部作り物だったのだ。当然の反応である。 「てかそうなるとやっくんのあの考察全ッ然的外れじゃねえか!!恥ずかしッ!!」 「…………」 「いってぇッ!?」 そう、こうなると先程の耶俥の考えは先走ってしまった故の勘違いだった事になる。 それを指摘されて少しイラッとしたのか、無言で輝の頭を殴りつけた。 「あははは、まあこれで君達に対する俺の評価は決まったんだ。もう試す様な真似はしないよ。落ち着いて折角出した飲み物を飲んでくれたまえよ。」 置かれてあった飲み物を指差しながら話していく 「………てか、捕まったんじゃないなら『アイツ』は今何してんだよ。」 「〜〜〜………ッあぁ!そうだよ!じゃあ『あの人』は………」 殴られた頭を摩り…… 「『勇騎』さんは今何してんだって話だよな?」 『あの人』『アイツ』『彼』。 今まで散々濁されてきたある人物の名前が、ようやく明らかになった。
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