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「傷を癒す……そんな能力を持つ奴そうそういねぇぞ……?」
輝は自身のライダー知識を思い浮かべるが、条件が条件な為あまりピンと引っ掛かるのが出てこないといったところだ。
「篠原君は、勇騎君から聞いてる限り随一の仮面ライダーの知識を持ってると聞いてる。護衛するのと同時に、そのジュエルの詳細を探ってきて欲しい。」
「なるほど……ふふ、いい人選センスだぜ勇騎さん……。」
「………じゃあコイツだけでもいいんじゃねえの?」
「おいおい釣れねえ事言うなよやっくんよぉ〜」
「うるせえ。」
「今回の対象は先程も言った通り女子高生だ。その為、年が近い篠原君と、その篠原君の動きをセーブできるので条件が揃うのが耶俥君。君だという指摘が彼からあったものでね。」
「あの野郎………」
文句を言いたいところだが肝心の本人もいないし隣はうるさいし、すぐに諦める事になった。
「………でもよ、回復持ちとはいえ、ジュエルをもってんなら召喚するなり、それこそ『その子は』って言い方するんならベルト持ちってことなんじゃね?自分で守れる手段無いわけじゃないんじゃねえか?」
ここで一つの疑問を輝は抱く。
ジュエルは一般的には元々『ライダーサモン』と呼ばれる、召喚して戦わせるという運用目的で作られたものだ。
今となっては『ある事件』で禁止になり、そのかわり変身に使うベルトも流通してるのもあってストリートではそれを手にした騒ぎが多くなっている現状だ。
『癒す』と言う行動が割れてるのなら、使用者はジュエルの力を何かしらの手段で発揮しているということになるが……
「それが、どうやら単純な話じゃないらしい。」
すると椎名は一呼吸置き
「どうやら、ジュエルを持ってるんじゃなく、ジュエルが体に入ってしまったというんだ。」
それは、あまりにもイレギュラーな事態だった。
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