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ーーー舞台は移り変わり『赤井川高校』。
放課後のチャイムが鳴り響く頃には生徒それぞれが動き出し、各々の行動を決めに行く。
勉強、雑談、部活、委員会、この後の予定etc...
「んー、さぁーて今日はどうしよっかなー」
鞄を背負い廊下へ佇む1人の学生、『篠原 輝』。
「何やってんの、輝。」
そこへ女子学生、友人である『二宮 舞』が顔を覗き込む。
「いや別に?ただ今日はどう1日を過ごそうかなーって考えてたとこだぜ?」
「ふーん……」
なんだか何か言いたげそうな雰囲気がある。
「……ん?な、なんだよ?」
「………あのさ………よっ。」
舞は周りを確認した後、肩に手を乗せ、輝の顔の側、主に耳元まで顔を近付ける
「うお!?何!?」
少し汗が滲むのが見え、舞の吐息が漏れるのを感じる。
篠原 輝も男だ。いくら古くから知ってる友達と言っても状況が状況なので少し鼓動が高鳴っていく。
最も舞のその行動は、側から見れば一瞬、変な勘違いをされそうな動きだがーーー
「……最近どうなのよ、『ライダー』の……仕事っていうの?」
周りに聞こえないように小声で、何やら妙なことを聞いてきた。
「………は?」
「いや、だから最近ライダーとしての活動はどう?って聞いてるのよ。」
『ライダー』。
その単語が意味する物は、大抵の人はバイク乗りか……『ヒーロー』の名称のどっちかだ。
そしてこの場合、彼女の言葉の意味するものは……
「……はあーーー、なんだそんな事かよ、変にソワソワしたじゃねえか」
「は……へ、変な勘違いすんなし!」
「いってぇ!?」
輝のその言葉に肩パンをかます舞。
「………その様子じゃ問題ないみたいね。ま、あんたの事だから状況変わっても大してスタンスは変わらないのかもしれないけど。」
「よー分かってんじゃん、お前に言われなくてもしっかりがっしり問題なしのイケメン高校生かつ『仮面ライダー』だぜ俺ちゃんは〜?」
「どの口が言うか!!」
ポコポコと殴りまくるかそれを輝は笑いながら手で受け止める。
そう、先程の話だが……一見普通の高校生だが、彼はこの町で戦う、テレビ番組でもお馴染みの『仮面ライダー』。その1人である。
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