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因みに、変身出来るのは彼だけじゃない。
そもそも、『仮面ライダー』なんて空想が何故現実味を帯びているのか。
それは、この世界でかつて流通していた『ジュエル』というデバイスと、彼も持っている『ジュエルドライバー』というものさえ手に入れば誰でも変身できる……いつの間にか定着しているこの世界の『ルール』のようなものがある。
この世界で起きている事を挙げるなら……
彼の仲間であり、そしてリーダー的存在である仮面ライダー
『仮面ライダーリベル』
それを筆頭にした自警団のようなものと、この街に潜み、敵対する『ある組織』との戦いを描いた物語………といったところだ。
「……まあ問題なしとは言ったけど、最近落ち着いちゃいるが結構大事づくしな事連続で起きたりしたからな、疲れてないと言ったら嘘になる。」
ある時は組織の幹部と。
ある時は見知った物語の英雄と共に戦い。
ある時は彼らの『知らない』戦士と共に戦い。
事あるごとに、時には世界規模で起きててもおかしくない事象が何度も続いている。
「ニュースや動画サイトでも話題になるくらいだからね……アンタ本当用心しなさいよ。アンタがこの学校の生徒だってバレたらどうなるか」
「結構制服着たまんま暴れちゃうパターンが多いからバレそうなもんだけどな、不思議な事にまだ何にもねえけど」
「この前だって、アンタ思いっきりここでやっちゃったでしょ?」
「ん?あぁ、真由と会った時か」
「真由……あ、神崎先輩の事?」
「あぁ。その兄貴も合わせてライダーだったけどな。いやーまさかあん時は学校でも現れるとは……まあ皆逃げた後だから、真由のダチぐらいしか見られてねえけど」
「大丈夫なのそれ?どっかから漏れたりしない?」
「一応真由が口止めしてくれてるみたいだぜ、まあ俺は別にいいんだけど本人があんまバレたくねえみたいだから。
でも、ここ最近アイツなんか訳ありみたいな感じでしばらく会ってないんだよなぁー教えてくれないけど。」
「……気の毒ね、先輩も。」
「おいそりゃどういう意味合いじゃコラ」
「こんな問題児と関わって、あんなに小さくて可愛らしい先輩が超〜〜〜絶可哀想って意味。」
「ほう、言ってくれんじゃないの……」
………その時、輝の携帯が鳴る。
「ん?……お?」
その時の輝の顔は、どこか嬉しそうな顔だった。
「もしもし!どうしたんすか?なんかありました?良いですぜ、アンタの為なら何処へだって駆けつけ………え?」
電話にでて意気揚々と喋るが、突然そこでトーンが落ちる。
「はぁ!?それどういう意味……あ、ちょっと!!」
舞はその会話と、電話口から申し訳なさそうで且つ急いでそうな雰囲気の声が聞こえた。
どうやら、電話は切れてしまったようだ。
「……ど、どうしたの?」
輝の顔が、明らかに不安そうな顔をしている。何があったのか聞くと……
「………今から、警察に来いって………」
ーーー何やら、災難が訪れそうなフレーズが聞こえてきた。
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