君のないしょ

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 今は僕のツレ、フフフ、失敬、照れ笑いが。彼女がいかにかわいい妻であるかを語っているんだ。そう、僕の奥さん、フフフ、ゴホン。彼女は優しい。つい先日、僕が会社の後輩との関係に悩み、一人酒を、いや一人黒豆ほうじ茶をあおっていた時。彼女はそっと僕の向かいに座り、一緒にカルーアミルクを飲むじゃないか。ちなみに、僕は飲めないが、彼女は結構なザル。ゴクゴク飲む姿が逞しい。素晴らしい。とにかく可愛い。  わかるか!落ち込む僕に付き合ってくれる静かな優しさ。あえて何も尋ねてこない見守る、母性との葛藤の末のささやかな気遣い。いじらしい。もうそれだけで、僕は仕事のしない後輩の尻拭いを喜んで引き受けよう。いくらでも拭いてやろう。もうさっさと尻出せ。  奥ゆかしさ貞淑さ陽だまりのような温かさをじっくり煮込んだような心。可愛い上に優しい。やさかわいい。なんかイマイチなネーミングだ。壊滅的な語彙力が憎らしい。これは一般公募しよう。言葉に自信ある者、求む。
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