始まりの始まりの夜は

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始まりの始まりの夜は

星を見たことがない。 空を見上げたことがない。 ハッハッと短い感覚で息を吐き、冷たく暗い廊下を走る。 もう戻れない。 向こうは自分より足が長い。 きっと逃げてもすぐ捕まってしまうだろう。 けれど足は止まらない。 見るのだ、この目で。 満天に輝く星空を。
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