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「えっ? 冷蔵庫? なんで?」 キョトンとする大祐に、真友子は口元を綻ばせて「いいから。見てみて」と 促す。 そして、怪訝そうな面持ちで冷蔵庫を開けた大祐が、素っ頓狂な声を上げた。 「すげぇ! まぁゆ、テレパシー使ったの?  ってか、なんで冷蔵庫にラップが入ってんの?」 「ん? なんでかしらね。でも、時々入ってるわよ」 「えっ?! そうなの? ラップを冷やす意味って、何かあるの?」 付き合い始めたての頃の冗談を、未だに真に受けているのも なんとも彼らしい。 だがそれ以上に、余り物などと一緒に、自分がラップを冷蔵庫に仕舞っている事に気付いていないのも、なんとも大祐らしい。 だから、つい細く笑いながら、からかいたくなる。 「どうかしらね。ちょっと頭冷やしたくなったのかもね」 えっ……。 一瞬だけ固まり、ここでようやく彼も、からかわれたと気が付く。 「ええぇ、まぁゆの悪戯だったの?」 「どうかな。でも確か、先週末も入ってたかな」 「ええぇ。じゃあ、犯人は僕じゃん」 こんな些細な会話と大祐の天然っぷりが真友子を和ませ、それが日常になっていることに「夫婦」を実感する。
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