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日曜の朝、目覚めた時に、ベッドには大祐の姿はなかった。 何時だろう……。 真友子は、枕元に置いたスマホを手に取る。 時刻は、まだ8時前。 二人とも休みに朝寝をする方ではないが、それでも週末としては早い時間。 特に、用事があるとは言ってなかったと思うけど。 休みの日は、真友子が先に目覚めることが多いだけに、ベッドの上に起き  上がって伸びをしながら少し首を傾げる。 だが、着替えと洗顔を済ませてダイニングに向かう途中で、大祐の早起きの 訳がわかった。 「おはよう」 キッチンの入り口から声を掛けると、驚く様子もなく振り返った大祐が  「おはよう」とニッコリ笑う。 そして次の瞬間、ハッと顔を固めた彼が、変な踊りを始める。 「これ見ない。見えない、見ない。片付けるから」 派手に散らかっているキッチンを隠そうとしているのか、両手を上下に   動かし、腰をクネクネさせて歌いながら踊る。 その姿に、キッチンの惨状に寄りかけた眉根は広がり、真友子は思わず   吹き出した。 そして笑いながら、「手伝おうか?」と尋ねる。 だが大祐は、真友子の笑顔にホッとしたのか。 踊りも歌もやめて、軽くかぶりを振った。
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