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「うぅん。そんな事ない」 そこは、急いで、きっぱり否定する。 それを目に、「良かった」と、大祐がホッと笑顔になった。 「もちろん、僕一人じゃ出来ない事もあると思うよ。 だけど、まぁゆには今の仕事もバリバリやって欲しいんだ。 でさ、子供と保育園から一緒に帰って来て、パパパッとカッコ良く料理して『いただきます』って一緒にするのが目標なんだ」 大ちゃん……。 大祐という人は、思わず吹き出してしまうようなドジを連発すると思えば、 真友子が、グルグルと悩み続ける事をサッと風のように解決してしまったり する。 そしてそんな彼に、改めて自分は惚れこんでいると、真友子は自覚する。 「大ちゃん。私、大ちゃんと結婚出来て本当に幸せ」 しみじみと大祐を見つめて言うと、向いの彼の顔も嬉しそうな笑顔になる。 「僕も、まぁゆと結婚出来て幸せだよ。 だから、ご飯食べたらいっぱい子作りしようね。僕、メッチャ頑張るから」 だが、ニコニコと言われても、さすがに冗談として流せない。 「まだ起きたばかりよ」 しかし、苦笑交じりに言う真友子に向かって、真顔になった大祐が身を 乗り出した。 「夜より朝や昼間のほうが体力有って、濃厚なヤツになるって聞いたんだよ。第一、ベッドの上でも、また寝るわけじゃないんだから起きたばかりでも OKでしょ?」 「ええぇ、本気なの?」 「本気も本気。僕、今週は計画的に溜めておいたから、いっぱい出来る 自信あるよ」 天然なようで、将来をしっかりと見た上で、真友子を悩みの淵からサラリと 掬い上げる。 これが、この大祐という人の最大の魅力でもある。 だが、ニコニコしながら食事をする向かいの彼を見つつ、真友子は思う。 でも、やっぱり天然だよね。まぁ、そこが一番好きなところだけどね。
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