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ふう、と息を吐き出してみる。一旦、地面にゴミ袋を置いて休むと、両手をひらひらと振って血の巡りを取り戻していく。ほんのりと赤くなった手のひらを擦り合わせれば、アカリは辺りを見渡してみた。
収集場は校舎の隅っこで、その近辺は授業でもなければ来ることはない。その上、すでに部活が開始されているこの時間は、もっと人が来ることはなくなるだろう。
今のところ、ボク以外に人はいないようだ。もう一度、確かめるように視線を横へ移動させると、アカリはくるりと回ってみる。
ひらり、スカートが広がる。ふわりと膨らみ、空気に沿って裾が躍る。短くしたスカートで隠されていた太ももが晒されると、冷たい風がさらりと肌を撫でた。
この自由さが、ボクは好きだ――
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