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昔のことを思い出していると、いつの間にかアカリの家の前に着いていた。 抱き寄せるヒロの腕から抜け出し、ヒロから離れる。そうすると急にぽっかりと胸に穴が開いたような、なんとも言えない感覚に襲われる。ヒロと出会ってからというもの、別れるたびにこうなる。 おそるおそる、ヒロと目を合わせる。数秒の無音、交わされる言葉はなくとも気持ちが軽くなっていくような気がしてくる。 「また明日」 ヒロが片手を上げ、そう言う。明日も会える。何十、何百と回数を重ねても、このときは特別な嬉しさが膨らむ。 「また、明日ね」 心が満たされ、自然と身体を動かす。アカリは返事をすると、無防備なヒロに抱きついた。 「大好き」 アカリの心音と、ヒロの鼓動が重なる。大胆な自分の行動に恥ずかしくなりながらも見上げてみれば、夕日に照らされているからか、ヒロの頬が少し赤く染まっているように見えた。 ずっと、そばにいたい。許されるかぎり、好きでいてもらえるかぎりは―― 「俺も、好きだよ」 あの日からずっと、ヒロはボクの光だ。
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