1.紫寮

10/33
88人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
「ヒント1、母親がビッチ」 「えっ?」 思わぬヒントに驚いて屈んでいた足を伸ばしかけたが、左肩を抑えられ元の体勢に戻った 目線だけ左側を見ると浅葱先輩が俺の左肩を抑えており、俺の左耳に口を寄せていた 「ヒント2、恋人が2人」 「え?2人?」 つい声が出ちゃった.... ビッチで恋人が2人...2人?! 両耳からクスッと笑い声が聞こえると同時に 左右に居た2人は笑顔で俺の前に立っていた 「答えは、生で3Pをした結果2人分の種が着床した!でした〜」 「笑える。」 2人は顔を見合わせてクスクス笑っていた 笑えねぇよ、俺は 重いだろこの話...,初対面の人にする話じゃないよこれ 「あっ...えーっとその、話していただいてありがとうございます...」 「そんなに重く考えないで! その2人と母親は別れたけど、その後父親同士でくっついたからハッピー!」 「今母親は日本人と再婚して、ちょー可愛い妹までいるよ。これはハッピーエンド以外許せないよね。」 「ハッピー...エンドですか」 ハッピーエンド!!と2人は笑いながらお互いの脇をくすぐり、じゃれ合っていた 美しい2人が戯れる姿はそれだけで絵になる。美術館で絵画の細部を見るように、しばらくその光景を眺めていた ....よく見たら似てるじゃん 肩を組み笑い合う2人の眉毛の上げ方、目の細め方、口角の上がる角度.... 「先輩方は、そっくりですよ」 2人は一瞬何を言われたのか分からず、 ポカンと間抜けな顔をして固まった 「その表情もそっくりです」 2人は顔を見合わせると 「「だろ?」」 似ているだろ?とお互いを自慢するように肩をさらに寄せ合い、美しく微笑んだ
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!