ハナコトバ

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卒業祝いに花束を貰った。 綺麗なピンクのスイートピーだ。 花びらに触れた瞬間に高校生活の思い出が蘇った。 それも優しい思い出。 思わず涙が出た。 その能力に気がついたのは大学に入ってからだった。 うっかり薔薇に触れてしまった。 それも99本のサークル仲間が告白に使う花束だった。 その日、人生で初めての告白をされた。 初めての彼女だった。 そんな幸せな時間は長くは続かなかった。 二ヶ月が経とうとした日に黄色の菊に触れてしまった。 触れた瞬間に彼女に呼び出された。 内容は簡潔なもので 「なぜ好きだったか分からない。別れて欲しい」 ということだった。 泣いた。一晩泣いて、何かがおかしいと思った。 まだ小さい弟にクローバーの花を渡されて確信した。 「あぁ、花言葉の通りになってるんだな」って そこで意識は無くなった。
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