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西尾先生───僕の担当医だ。
彼らが言ったように、院内学級はずっと行っていない。夏休み前、高校を退学すると同時に何かがポッキリと折れ、行かなくなった。どうせ、持たない命だ、勉強しても時間の無駄だ───いつしか、そう考えるようになった。
「……うん」
「行きなよ、無駄かもしれないけど……何かが変わるかもしれない───遠藤ちゃんも体調がいい日は行っているよ」
「……分かった」
後者の誘惑にあっさりと負けた。早乙女さんはニッと口角を上げ、薬を渡して来た。
*
早乙女さんが行った後も、告白の返事を考えていた。
名明るくて天真爛漫。焦ると早口になってたくさん話す。これだけなら普通の女子高生と変わりない。名前が嫌い、と言う点でも普通、なのかも知れない。
ただ、難病を抱え、僕と同じ余命半年。
どうしようもなく、悲しく、どこか美しい確固たる運命の繋がりを抱えて出会った僕ら。
僕はそんな運命に、彼女にたったの一日で息もできないほど惹かれていた。
もっと、彼女の笑顔を、声を、仕草を、生を────もっと感じて、残り限られた時間を過ごしたい。
こんなこと考えなくても分かっている。
───僕は彼女が好きなんだ。
告白の返事に『NO』なんて存在しない。
『YES』以外何があると言うんだ。
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